2019/09/27 19:07

それは、青い風だった。

小さな小さな希望の中で、見える一縷の望みに似た、光。掴める気がして差し伸べた手を、引き戻せないまま何年も経った。もう辞めてしまおうか。そう思う度にまた、光。そんな時、決まって風が吹いていた。振り向...

2019/07/05 20:34

それは青い風になるのだろうか。

展示の情報がようやく解禁された。慣れない服に身を通して、何ヶ月も前から打ち合わせを重ねた。モノを作る事に向けての時間は、とても良いモノだった。何もない現状を憂う暇があるなら、自分主体で勝ち取らなけ...

2019/02/08 00:34

水平線を撃て。

赤煉瓦色した空が街を飲み込み始めるのを眺めながら、吐き出した煙を、雲に成れよと願いを、朧げな視線で頼りなく見送れば、秒を跨いで彼方に消えた。なかなか空まで届かない。見上げてばかり、本来は澱みに潜る...